隣合わせの危険
写真はNational Geographicのウェブサイトより。
この写真をみて、気持ちよさそうと思うか、危ないと思うか。
うちの大学のスタッフ(Athletic Trainingの人ではないし私は面識のない人)が、バケーションの最中にクライミングをしていたところ、落下して亡くなったという話を聞いた。
この間、ふと手にしたNational Geographicっていう雑誌の少し前の版に、ヨセミテ国立公園の特集があって、ヨセミテに魅せられたクライマーたちの語が載っていた。岩壁にテントを張って、地上数百メートルに吊らされたテントで寝袋にくるまって寝る写真があって、思わず息を飲んだ。当人たちは最高に気持ちいいんだろうけど、めちゃくちゃ危ない状況だと思ってしまう。ただ死ぬかもしれないからってやめられないだけの魅力がある。
クライミングだけではなくて、これはいろんなものに言えること。
私はロッククライミングにはジムでのものも含めて全く挑戦したことはありません。命綱なしに岩壁をのぼるクライマーとは違いますが、ロードバイクでも死の危険を感じることはあります。リクリエーションとして載っていても、「あの坂で時速何マイル出した」なんて話はしょっちゅうかわされるもの。時速35マイルとかで坂をくだるのはとっても気持ちがいいけれど、同時に恐怖も感じます。ここで何かあって、転倒したら死ぬかもしれないと。
今年は私は参加しなかったBiking Across Kansas(BAK)。
過去2年、そこに私を連れていってくれたJohnの孫の一人が今年のBAKの最終日に、坂を下っていたところ、彼の少し前にいた人が犬が飛び出してきたのを避けようとして急に自転車を横に反らしてきて、彼は避けきれずにその自転車と衝突し、横倒れしたそうです。一瞬意識も失ったようですが、幸い命はとりとめて、鎖骨骨折と臀部に深い傷を負ったそうです。私が数週間前にJohnと話したときはもうだいぶ回復していると聞いて一安心。私も以前からJohnを通じて交流があったので彼のことは知っているし、話を聞いたときは驚きました。
John自身もこれまでに自転車で転倒して鎖骨を折ったこともあるし、彼の友達でやっぱり自転車による転倒で、大腿骨を折った人の話も聞いたことがあります。私も3年ほど前に、自転車で転倒して肘を縫いました。危険なことはみんなわかっているけれど、それでもやめずにやり続けてしまう魅力がある。今回怪我をしたJohnの孫もこれからも自転車に乗るだろうと私は思います。彼と彼の家族、そしてJohnを知っているからそう思う。同時に、犬を避けようとして、結果的に彼の事故を引き起こしてしまった女性は、その場で泣きながらもう自転車には乗らないと言っていたそうな。それを聞いて、自分がけがをしたときよりも、誰かに怪我をさせてしまった(この女性は悪くないけれど)時のほうが、やめる原因につながるんだろうなと思いました。
またスキューバダイビングにはまっている私の友達は、急に波が来てさらわれたり、ボンベが壊れてしまったりしたら、死ぬかもしれないという感覚を味わうのも好きだなんて言ってました。大自然の前にはちっぽけな自分の無力さを感じるのが気持よいのかもしれません。
クライミングやロードバイクやスキューバダイビングなどをすることは、怪我をする危険、命を落とす危険を増やすことになる。けれど、普段の生活では絶対味わえない気持ちよさがあるからやめられない。むしろその危険ととなりあわせなことが人々をそういったものに向かわせる原動力となっているのかもしれない。
運悪く亡くなってしまったスタッフの方は気の毒に思いますが、彼もきっと死ぬまでやめられなかったのだろう。面識は全く無いけれど、ご冥福をお祈りします。
by atmtk
| 2011-07-28 13:31
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NATA公認Certified Athletic Trainerです。あまり一貫性はないですが、日々のできごと、気付き、考えたことなどを記録しています。
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